腎不全では、食事で摂取したリンが尿中に排泄されないため血中のリンは高くなり(高リン血症)、腎臓でビタミンDが活性化されないため、腸管からのカルシウム吸収低下がおこり血中のカルシウムは低くなります(低カルシウム血症)。
このような病態は副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を亢進させ、骨からカルシウムを遊離させて血中のカルシウムを補おうと働き、骨粗鬆症を引き起こします。
透析患者さまは食事療法に加え、薬物療法による治療でカルシウムとリンをコントロールすることでPTHの過剰分泌を抑制し、二次性副甲状腺機能亢進症による合併症の悪化を防ぎます。
投与量は検査データの変動をみながら医師が調整します。 |
| PTHの抑制を目的としてビタミンD3製剤を十分に使用するためには、高リン血症の抑制が必要です。高リン血症は異所性石灰化を助長し血管の石灰化をまねき、心・血管障害など、生命予後へ大きく影響します。 |
| *2003年1月に新たに承認されたリン吸着剤です。 |
| 腎不全では尿量の減少による体液量の増加や動脈硬化の進行により、高血圧の頻度が高くなっています。適切なドライウェイトでもなお血圧が高い場合は、降圧剤を内服し適切な血圧を維持することで、生命予後を左右する循環器系合併症を予防します。 |
| 腎不全では尿中にカリウムが排泄されないため、血中のカリウムが高くなります。高くなりすぎると手足や唇がしびれ、重症では心停止をおこすため十分注意が必要です。カリウムが多く含まれる果物や野菜などを食べたときは、なるべくカリウム吸着剤を内服しましょう。 |
| エリスロポエチンは腎臓で産生されるホルモンで、赤血球を産生する働きがあります。腎不全ではこの産生が障害され貧血(動悸・息切れ・易疲労感などの症状)をおこすため、人工的に合成されたエリスロポエチンを注射で補います。 |